稲盛 和夫氏

『感性的な悩みをしない』
人間として我々はしょっちゅう失敗をします。そして反省をし、失敗した結果、くよくよと思い悩むことがあります。私はこのくよくよと感性的な悩みをしてはいけないということを説いています。
人生では心配事や失敗など心を煩わせることがしょっちゅう起こります。しかし、一度こぼれた水が元に戻ることはないように、起こってしまった失敗をいつまでも悔やみ、思い悩んでいても意味がありません。
我々はよく仕事に失敗すると心配します。しかし、いくら心配をしても失敗した仕事が元に戻ることはありません。悔やみ思い悩んでも無意味だということはわかっていても、なお「あれがうまくいっていればな」などと思い、悩んでしまうものです。感性的な悩みをしないということは、こうした意味のない心労を重ねることをやめるということです。起きてしまったことはしようがありません。きっぱりと諦め、新しい仕事に打ち込んでいくことが肝要です。
すでに起こってしまったことはいたずらに悩まず、改めて反省をし、そして新しい思いを胸に抱き、新しい行動に直ちに移っていくことが大事です。