共通価値の創造 その1

金融庁は平成28金融行政方針で、金融機関に『顧客との「共通価値の創造」』を目指すことが望まれると記載しています。
今まで銀行は貸出金を増やして収益増大を図ってきましたが、貸出金量と労働人口には相関関係があるとされており、今後少子高齢化・人口減少といった社会構造や貸出金利低下といった社会状況では、今までのビジネスモデルが成り立たなくなると指摘されています。
そこで金融庁は財務の健全性だけではなく、企業の経営の持続可能性に重点を置こうとしています。これは、地元企業の生産性向上や住民の資産形成、そして地域経済の成長をもたらすような金融サービスを提供することで、結果として銀行も収益を確保するという好循環を実現するようなビジネスモデルへの転換を目指すとしており、このことを『顧客との共通価値の創造』と呼んでいます。
融資するときに財務情報だけでなく、未来の企業価値の源となる事業性をよく見るということは、顧客とともに共通価値を見出して社会を持続していくという流れを期待しているのだと思います。
(その2へ続く)
(参考文献:大和総研金融調査部レポート)

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