リチャード・H・モリタ氏
「成功の秘訣は、目標の発見に尽きる」という結論は、言いかえれば「本当の目標を設定することは、成功することと同じくらい難しいことだ」と言える。
その難しさを予感してのことか、ほとんどの人は「1度ゆっくりこれからの人生について考えてみなければ」と、その重要性に心のどこかで気付いているにもかかわらず、休暇の計画に費やすほどの僅かな時間も、目標設定に割いていないのが現実である。
「『これだっ!』という本当の目標を見つけたい」と思いながらも、「自分は今まで、あまり勉強してこなかったし、たいした学歴もない。まして、これからその能力を身に着けるなんて年齢的にも無理だろう」と、劣等感や目標を考えることの難しさからか、考える前に目標への限界を作ってしまい、心のどこかで目標を考える思考作業中止の言いわけをしてしまうのだ。また、目標さがしを放棄まではしなくても、「何とかなるだろう」と先延ばしにして、その場しのぎの、付け焼刃のような目標で毎日を生きてしまうのだ。
しかし、これは悪循環である。結局そのストレスのためか、日々ストレス解消のために貴重な時間を浪費する。
マザー・テレサは愛について「ランプを燃やし続けるには、油を注ぎ続けなければなりません」と教えてくれたが、これではサイドブレーキを引いた状態でアクセルを踏んでいるようなもので、たちまちガス欠になってしまう。モチベーションという燃料はあっという間に底をつき、高い確率で失速してしまう。もし、あなたがそういう状態なら、こうした生き方にきっぱりと終止符を打とうではないか。