利益は意見、キャッシュは現実
『損益計算書は創ることができる』
会社規模の大小を問わず、損益計算書の売上高や利益の最大化を目指す企業が実に多いと感じます。間違った考え方とは言いませんが、本当にこの観点で経営判断してもいいのでしょうか?
会計上の収益・費用計上基準や売掛金・買掛金の締め日などを調整することにより、ある程度は売上高を多く見せたり、利益をかさ上げしたりすることで人為的に損益計算書を創ることができます。また、経営者が何よりも優先して売上高を拡大するような意思決定をしたり、目先の収益を得たいがために長期的な成長に必要なコストを削ってしまったりすることにより、結局事業が大きく成長する機会を取り逃がしてしまう場合が多々あります。
また、短期的な利益を優先したり、黒字または無借金だから大丈夫と高を括っていたりする経営者には次の視点・観点が抜け落ちている方が多いような気がします。
〇会社の価値を向上させるために、先行投資をするという視点
〇自分達がどのような資産(ヒト、モノ、カネ)をもっていて、その資産をいかに有効活用して成果を得るのかという発想
一方、キャッシュは経営者の意図で調整することはできません。手元に残っている預貯金こそが真実です。
会社の価値を『売上高や利益」といった観点で測るのではなく、将来にわたってどの程度キャッシュを生み出してくれるのか?という観点から経営判断をしていかなければ、幾ら売上高や利益を上げたところで、キャッシュは手元に残りません。
『利益は意見、キャッシュは現実』です!
(参考文献:ファイナンス思考)